首のところにあるチョウチョの形をした分泌腺が「甲状腺」です。
甲状腺が活性過剰になってホルモンを出しすぎたり、活性不足でホルモンがあまり出なくなったりしてきちんと働かなくなるとさまざまな症状が現れます。その症状が甲状腺のせいなのか分かりにくいため、甲状腺に問題があっても、10人のうち6人の人が気づいていないことがあるのです。

甲状腺の病気に自己免疫疾患「自分の抗体で自分自身を攻撃する病気」があります。代表的な病気にはバセドウ病と橋本病があります。
バセドウ病(自己抗体が甲状腺を刺激して過激に甲状腺ホルモン分泌促進して
甲状腺機能を亢進させる病気)
橋本病(自己抗体が甲状腺を攻撃して慢性甲状腺炎を引き起こし甲状腺機能
を低下させる病気)
甲状腺の異常は気づきにくい「甲状腺のサイン」
1.体重が大きく変化する
体重が大幅に減ったり増えたりしたら甲状腺の病気かも知れません。甲状腺ホルモンの影響が最も出やすいのが新陳代謝です。ホルモンが多すぎると代謝が速くなり、食欲亢進するも体重が減ります。ホルモン減少は食欲減退するが浮腫による体重増加がみられます。
2.髪の毛が抜ける
円形脱毛症(頭皮に十円玉くらいの大きさの脱毛部分ができる症状)は甲状腺が関係している可能性があります。研究によれば円形脱毛症の78人のうち24人で甲状腺の働きに異常が見られ、甲状腺ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると、毛包の調子がおかしくなって髪が抜ける結果になります。甲状腺ホルモンが正常な状態に戻れば、髪の毛はまた生えてきます。
3.動悸がする
甲状腺の活性が過剰になると、心臓がスピードアップして動悸、頻脈や神経過敏による多汗、苛立ち、ホットフラッシュが現れることもあります。逆にホルモンが少ないと徐脈や発汗量が減少します。
4.その他の症状
甲状腺ホルモンが多すぎると下痢、高血圧、眼球の突出、手指の震えなど、
甲状腺ホルモンが少なすぎると便秘、冷え性、肌の乾燥などの症状がでます。

甲状腺の治療は甲状腺ホルモンをチェックしながら根気よく薬を飲むことが大切です。