2018.08.24
「日中の時間帯に限った砂糖の摂取で脂肪肝と高中性脂質血症を改善」
名古屋大学は8月16日、砂糖の取りすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝、高中性脂質血症)を、日中の活動している時間帯のみの時間制限摂取により、脂肪肝と高中性脂質血症が改善されることを明らかにしたと発表しました。
これまで、メタボリックシンドロームの原因は、エネルギーの過剰摂取、動物性油脂に多い飽和脂肪酸の過剰摂取などが主な要因であると考えられてきました。しかし、最近になって、砂糖の取りすぎが主要な原因のひとつであることがわかってきました。実際には、食品に元から含まれている糖ではなく、後から添加する糖(加糖)の過剰摂取が問題と考えられています。いわゆる異性化糖などの砂糖を構成するフルクトース(果糖)が原因であることはわかっていますが、ジュースやお菓子などの取りすぎが問題と考えられています。そのため、2015年にWHOは1日の砂糖の摂取を、摂取エネルギーの5%未満、小さじ6杯分相当(約24g)にするよう指針を出しました。
時間栄養学的研究によって、肝臓脂質代謝のリズムの振幅が重要であることを突き止めたといいます。そこで、摂食時間を日中の活動時間帯だけに制限することで、砂糖の過剰摂取による脂質代謝異常が改善されると考え、夜行性のラットを用いて、ラットの活動時間帯のみに砂糖を与える実験をしました。これは、人では、日中の活動時間帯にあたります。その結果、砂糖の過剰摂取によって起きる脂肪肝や高中性脂質血症が改善されたといいます。
研究グループは、昼夜を問わず、四六時中食べていると、高コレステロール血症が起きることを報告しています。逆に、メリハリのある摂取法として、「時間制限摂取」(主に日中に限る)をすることによって、高脂肪食による肥満なども改善することも、すでに報告されています。今回の研究成果は、砂糖によるメタボリックシンドローム予防にも時間制限摂取が有効であることを示すもの。摂取する時間帯の調整により、砂糖の取りすぎによるメタボリックシンドロームの予防が期待されると述べています。
QLifePro 医療ニュースより引用