2018.8.27
「人によって違う「適度な運動」」
健康のために行う運動は「安全であること」「効果的であること」「楽しいものであること」が大切です。安全であっても効果的ではなかったり、逆に効果的であってもケガをする危険性が高い運動では、日常行う運動習慣として好ましくありません。安全で、健康によい影響をもたらし、楽しく続けられるような自分に合った運動量を設定する必要があります。
適切な運動量は人によって違う
体力・性別・年齢・運動経験・健康状態など、運動する人の身体条件によって、適切な運動強度は違います。ケガのリスクが少ない運動量のラインを「安全限界」、運動の効果が得られる運動量の最低ラインを「有効限界」と言います。この2つの目安に収まるものが、適切な運動量です。運動量とはランニングやジョギング、水泳といった運動の種目の他に、「強度」と「時間」と「頻度」の3つの要素で成り立ち、この3要素が運動量を判断する基本的な目安となっています。
運動強度とは、運動の強さを表すものです。自分で運動強度をチェックできる一番簡単な方法は心拍数(脈拍)。運動強度は運動直後の1分間心拍数で簡易的に判断することができます。まずは安静時の心拍数を測りましょう。起床後、布団から起きる前に1分間の心拍数を計ります。誤差を少なくするためにはなるべく1分間の心拍数、もしくは30秒の2倍の値を参考にします。また日によって脈拍数に変動があるため、3日~1週間程度測定し、その平均値を安静時心拍数とするとより確かな指標となります。測定を行う指は人差し指と中指の2本を親指側の動脈にあてます。
運動習慣のない人の適切な運動強度(1分間心拍数)の求め方は、次の計算式で大まかに把握することができます。
運動強度(1分間心拍数)=「(220-年齢)×目標とする強度※」
※目標とする強度
・健康の維持・増進……0.5~0.6
・体重減量、筋力の維持・増強……0.6~0.7
・筋力・体力の増強 ……0.8~
例えば35歳の女性が健康維持のために行う運動強度(1分間心拍数)の求め方は(220-35)×0.5~0.6=92.5~111回/分となります。この範囲の中で運動を行うことが健康維持のための運動強度の目安です。これより心拍数が上がると体重減量、筋力の維持レベル、これを下回ると健康維持レベルには達しない程度の運動強度ということになります。
ウォーキングやジョギングに代表される有酸素運動は、ある一定時間続けて行う必要があると思われていますが、全体の運動量を考えると、10分程度の運動を細切れに行っても効果があります。ジョギングの途中で歩く、歩きながら少し走るといったことを繰り返す、坂道になれば歩くという方法でも大丈夫。このように体調に合わせて運動を行うことは、強度を必要以上にあげないことにもつながります。運動習慣のない人が運動を始める場合、週1回の運動でも十分な効果が期待できます。気持ちよく行い、終わってから心地よい疲労感を得られるような運動習慣にしましょう。慣れてきたら、週2~3回(一日おき程度)運動を行うようにしていくと、より運動効果が期待できます。継続できる頻度が一番ですので、生活バランスにあわせて負担にならない頻度からスタートさせましょう。
「安全」「効果的」「楽しく」行う運動をあなたの生活習慣の中に上手に取り入れることで、健康的な毎日を過ごしましょう。
All Aboutより引用