2017.11.17
2004年11月15日にクリニックが開院してから13周年を迎え、14年目に入りました。
開院した日のクリニックの景色は、今でも一枚の写真のように鮮やかに思い出されます。穏やかな秋晴れの空の下で、お祝いの生花が待合を埋め尽くしていました。玄関でスリッパに履き替えて入ってくる患者様の顔つきは、一様に少し緊張されていたようにみえました。そして間違いなく、患者様以上に、私たちスタッフは緊張していました。
初日に来院された65人の患者様の中には、この13年の間にお亡くなりになった方もいらっしゃいます。一方、お母さんに抱きかかえられてきた生後数か月の赤ちゃんが、今では中学生になりお一人で来院するまでに成長されていました。おじいちゃん、お子さん、お孫さんと三代揃って来院されるご家族もいて、患者様の一生の一部に、本当に深く関わらせていただいている仕事なのだと日々実感しています。
13年の間には、クリニックで働く私たち自身も、それぞれが人生の節目を迎えてきました。結婚や出産・子供の成長、親の介護、近しい人との別れ。色々な節目があったかと思います。その度に全員で立ち会い、気持ちを分かち合うことで、ここまで働いてこられました。
過去を振り返る行為は、「後ろ向き」と思われネガティブにとらえられることもあります。しかし、一度立ち止まって歩いてきた道をたどり、昔と変わったこと・変わらないことを整理する作業というのも、前へ進み続けるためには無駄ではない行為だと思います。開院の日は、誕生日や結婚記念日と同じくらい、「今まで」と「これから」を繋ぐ振り返りの作業に適したタイミングであるといえるでしょう。
クリニックが開院した「2004年」を振り返ると、その年の最後に発表される「今年の漢字」は『災』でした。アテネオリンピックの開催年でもありましたが、それ以上に人々の心に残ったのが、68名の死者を出した新潟中越地震・浅間山噴火・台風の連続上陸などの災害だったようです。
その後、現在に至るまで様々な事象に直面してきました。新型インフルエンザの流行に対しての混乱があり、東日本大震災での停電や、大雪による交通マヒなど非常時での医療提供がありました。医療制度においても、自己負担額が2割から3割に増えたり、後期高齢者制度が発足したりと、大きな流れの中で年々変わっていきました。
これからも、いつ何が起こるかはわからず、何が起こってもおかしくありません。今までの経験を生かして、時代の流れに乗り、地域と関わっていく中で、クリニックが成長を続けていけるよう、その一翼を(皆さんと共に)担っていきたいと思います。
14年目もよろしくお願いいたします。