2019.03.02
「胃ポリープ」
胃ポリープとは、胃に発生する上皮(胃粘膜のもっとも表面の組織)由来で良性の胃の内腔に突出した(隆起性)病変のことをいいます。
一般的な胃ポリープとしては、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープがあります。また、特殊なものとして胃腺腫などがあります。広い意味では、粘膜下腫瘍(胃の粘膜の表面でなく、壁の中にある腫瘍)や胃がんなど胃のなかの隆起した病変の総称としても使用されることがあります。
過形成性ポリープ
胃ポリープでもっとも多くみられるものです。発赤が強いことが多く、「くされ苺状」とも表現されます。大きさは10ミリ以下のものが多いですが、ときに30ミリ近くのものもみられます。過形成性ポリープは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染した胃で認められる萎縮性胃炎を背景としていることが多いポリープです。
過形成性ポリープを認めた場合には、ほかにも胃がんや胃腺腫などが併存している可能性があるため、注意が必要です。 また、まれではありますが、過形成性ポリープががん化したり、出血を起こしたりすることもあります。
胃底腺ポリープ
周囲粘膜と同様の色調を示すポリープです。大きさは5ミリ前後で多発することが多く、がん化の可能性のないポリープです。比較的女性に多くみられるとされています。
胃腺腫
少し白っぽい色調の平坦な隆起が典型的なポリープです。胃の粘膜の萎縮がかなり進み、腸上皮化生(胃の粘膜が腸の上皮に置き換わる現象)のある胃でみられることが多いとされており、高齢者に多くみられます。
胃腺腫の多くは良性ですが、一部では病変の内部にがんを含んでいたり、経過のなかでがん化をきたすものもあり、必要な場合には切除治療が行われます。
Medical Note引用