2018.07.13
「ヘルパンギーナ」
ヘルパンギーナは、エンテロウイルスが原因となる感染症です。主に5歳以下の乳幼児を中心に夏に流行し、風邪症状と、口の中に発疹が出ます。大人もかかる可能性はあるため、子どもだけでなく保護者でも感染予防が大切です。
ヘルパンギーナの感染経路は接触感染(便に排泄されたウイルスが手などを介して感染する)と、飛沫感染(咳やくしゃみに含まれるウイルスによって感染する)が知られています。
毎年5月頃より増加し始め、7月頃にかけてピークに達し、9~10月にかけて減っていきます。
38度~40度近い高熱が出て、口の中に水疱性の発疹が現れるほかに、咳や鼻・喉の炎症、下痢などの症状がおこります。通常の風邪や、水疱性の発疹が手や足にも出る手足口病と初期には見分けがつかないこともあります。突然の高熱とともに、食事をとらない、口の中の痛みを訴える・口内にのみ水疱性の発疹が出る、の症状が出た場合、ヘルパンギーナを疑います。
通常、水分補給をしっかりとし、安静にしていれば、熱は1日~3日程度で下がり、口の中の発疹も1週間程度で治まります。
ヘルパンギーナには劇的に効く治療薬がなく、症状を和らげるための対症療法が基本です。症状が重くなければ自宅療養で回復します。医療機関では、基本的に風邪と同じ対症療法を行います。熱が高ければ解熱剤を処方し、脱水症状がひどく自力で水分補給が困難であれば点滴治療を行います。
周囲への感染力が一番強いのは急性期ですが、回復した後も便にウイルスが排泄され続ける可能性があり、長いと2~4週間、排泄が続くといわれています。
ヘルパンギーナに対するワクチンはないため、予防や家族内などで感染を広げないためには、感染した方との密接な接触を避けるようにする、うがいや手洗いをしっかり行うなどの感染対策が大切です。
Medical Note引用