2017.12.6

「再発前立腺癌」

俳優西郷輝彦(70)は6年前に前立腺癌と診断され全摘手術を受け、その後経過も良かったが今回再発したという。

手術で全てを除去したと思っても、検査や肉眼では分からない小さな癌が残っていたり、すでに他の臓器に転移した後で癌が成長して再発する。
前立腺摘出は前立腺と睾丸を摘出して膀胱と尿道をつなぐ手術です。

手術や放射線治療で根治した癌が再び進行することで、その後のPSA検査で数値異常が見られ発見されるケースが多くあります。アメリカ、メリーランド州のジョンズホプキンス大学で前立腺癌手術後の再発についての研究では術後10年間で約35%の患者にPSA値の上昇が確認されています。術後のPSAが上昇することは体内で前立腺癌細胞の増殖があり、これをPAS再燃と言います。

再発前立腺癌の治療法は再発前にどの様な治療をしたかで変わってきます。
①手術治療の場合・・・放射線治療またはホルモン治療が中心
手術治療後に期間2~4週空けて2回連続して0.2ng/mlを超えた時に再発が疑われます。この場合にはまずPSAが0.5ng/ml未満は放射線治療を行います。それ以上の値の場合はホルモン療法が有効的です。
②放射線治療だけだった場合・・・ホルモン療法が中心
治療終了後PSAが最低値から2ng/ml上昇した場合は再発が疑われホルモン療法が有効です。
③ホルモン治療を受けた場合・・・ホルモンの種類変更、抗癌剤治療

再発以前に放射線治療を受けた場合は、同じ場所への放射線照射は難しくなります。また、PSA上昇して再発が疑われたとしても癌の位置が分かりづらく放射線治療は意味を持ちません。その場合はホルモン療法で癌の様子を見ながら癌と共存を選ぶ人多く成っています。また、再発した化学治療(抗癌剤)は、まず男性ホルモンの働きを抑える抗アンドロゲン剤で行い、その治療効果が無くなった場合は化学療法に移行します。最終的な抗癌剤(カバジタキセル、ドセタキセルなど)は末梢神経障害などの副作用もあり患者様の意思や希望に沿って行う治療でもあります。

前立腺癌総合情報サイトより引用