2017.06.05

脊柱管狭窄症を緩和させる運動療法「8の字スクリュー」でインナーマッスルを鍛える!」

 

「脊柱管狭窄症」は先天的または後天的に神経が通る「脊柱管」が狭くなり、脊髄や神経が圧迫されるために腰椎や頸椎の脊柱管に病変が現れる難疾患です。

埼玉県さいたま市の清水整形外科クリニック院長は、脊柱管狭窄症は腰椎や頸椎だけでなく、胸椎、足の4つの部位の異変が密接に関連する全身病であることから、脊柱管狭窄症に特有の辛い症状を緩和する運動療法「8の字スクリュー」を開発・提案しています。

腰部脊柱管狭窄症は、最初は不良姿勢によって生じた腰椎の小さな歪みに過ぎませんが、小さなダメージが少しずつ蓄積すると、椎骨、椎間板、靱帯などが徐々に変性し、脊柱管が狭まるため、腰部脊柱管狭窄症につながります。

人間の背骨は「S字カーブ(ナチュラルライン)」を描いているので、体の重さや衝撃を背骨全体に分散させますが、長年の不良姿勢によって背骨のS字カーブが崩れると、腰椎の1ヵ所だけに負担が集中するため脊柱管に狭窄が生じます。したがって、腰部脊柱管狭窄症の悪化を防止・改善するカギは「狭窄が生じている部位の負担を減らすこと」になります。そのためには、脊柱管の狭窄部位にかかる負担を腰椎全体に分散しなければなりません。

腰椎の負担を分散させるためには、腹筋と背筋だけではなく、体幹に注目する必要があります。体幹のうち「背骨」が「家の柱」なら、柱を支える「土台」が骨盤の中心にある「仙骨」です。仙骨の左右にある「仙腸関節」が、地震の揺れを低減する免震システムのように働き、体の重みや衝撃を軽減しているので、骨盤は体の重みや衝撃を柔軟に受け止められます。さらに、背骨や骨盤の周辺には、体幹を支える背中の「多裂筋」や腹部の「腹横筋」などの深層筋(インナーマッスル)が、背骨と骨盤をしっかりと支えています。

このように、背骨・骨盤・深層筋(インナーマッスル)のバランスが保たれなければ、背骨のS字カーブを正常に保持できません。 背骨のS字カーブを取り戻せれば、脊柱管狭窄症の悪化を防ぎ、症状の改善を促せます。そのためには、体幹の背骨と骨盤の周囲にある深層筋(インナーマッスル)を鍛えることが重要になります。

清水院長が奨めているのが、深層筋を鍛える体幹トレーニング「8の字スクリュー」です。

①両足を広げてまっすぐに立ち、顔を正面に向ける。両足の爪先をやや外側に広げて立つと安定感が増す。

②フープを回す要領で、腹式呼吸を行いながら数字の8を描くように水平に腰を5回動かす。ゆっくりと大きく8の字を描く。

③反対回りにも腹式呼吸を行いながら数字の8を描くように水平に腰を5回動かす。これをワンセットとし、朝・昼・晩の1日3回、1セットずつ行う。

体操の前に、固まった腰の筋肉を手で揉みほぐしてから行うと効果が高まります。

「8の字スクリュー」を毎日続ければ、脊柱管狭窄症の症状の改善に役立つ深層筋(インナーマッスル)を効率よく鍛え、体幹を強化できます。体幹に筋力がつくにつれ、腰椎と骨盤が安定し、日常の動作が楽になるので、歩く距離も延び、転びにくくなります。

「8の字スクリュー」は、安全かつ効果の大きい体操ですが、体操を続けて痛みが強まったり、症状が悪化した場合はすぐに中止し医師に相談しましょう。

ヘルスプレス引用