2017.5.8

「コラーゲンと骨について」

骨はカルシウムでできていると考えている人が多いと思いますが、決してそういうわけではありません。構成比からみると、65%がカルシウム、リンなどの無機質で、10%が水分、残りの25%が有機質。有機質の約90%はコラーゲンです。骨はカルシウムの塊のようですが、実は、コラーゲン繊維にカルシウムが付着したものです。しっかり立てられたコラーゲンの鉄骨に、すきまを埋める形でカルシウムのコンクリートが付着して、初めて丈夫な骨になります。 ところが、加齢などで新鮮なコラーゲンが減少し、コラーゲン繊維が弾力を失って硬くなると、コラーゲン繊維の密度が粗く、カルシウムやリンなどの無機質との結合性が悪くなり、スカスカの骨になってしまいます。これがよくいわれる骨粗鬆症です。

コラーゲンはカルシウムやリンをしっかり骨の中につなぎとめておく働きをするため、いつまでも丈夫な骨でいるためには、カルシウムの摂取を日頃から心がけることはもちろん、コラーゲンの補給も大切になってきます。 また、丈夫な骨をつくるためには、コラーゲンをつくり出す力が活発な若い頃に意識してカルシウムを補給することが重要です。その際、カルシウムの吸収を助けるマグネシウムやビタミンD、Kなどと一緒にとるとより効果的です。コラーゲンをつくり出す力が落ちてくる30代以降は、カルシウム補給とコラーゲンの合成力アップの両方が必要になってきます。

人間の体には約200個の骨があります。全部合わせた重量は体重の15~20%ほどです。体重50キロの人なら7~10キロぐらいが骨の重さです。

最新の研究で、コラーゲンの側の問題で骨が弱くなるタイプがあることがわかってきました。問題が起きるのはコラーゲン同士がつながっている部分です。本来はピリジノリンという分子が橋渡ししますが、高齢者やメタボ気味の人では、ペントシジンという悪玉の橋渡しが増えてしまいます。これが増えた人の骨は、もろくて折れやすいそうです。悪玉タイプのこの橋渡しの生成を防ぐためには、ビタミンB群などの摂取が有効です。でもまずは、本来の橋渡しがしっかりできるように運動することが大切です。運動で骨に衝撃がかかると、その刺激で本来の橋渡し物質の生成が活発になるそうです。

コラーゲンをとれば骨は強くなるわけではありません。ぜひ、運動と質の良い食事を続け、元気な骨形成ができるようにめざしていきましょう。

引用:あなたの健康を保つ驚くべきしくみより