2017.04.03
日本の誕生日の歴史
日本では昔、年齢を「数え歳」で数えていたので、生まれた年を1歳とし、元旦にみな一斉に歳をとっていました。12月に生まれると、翌月には2歳になります。特に、女の子は生まれてすぐ歳をとるのはかわいそうだと、12月に生まれても1月生まれということにしていたそうです。おせち料理は家族全員の誕生日を祝うためのものだったともいわれています。日本で年明けを家族で盛大にお祝いをするのはその名残のようです。海外では、お正月は友達と過ごしたり、出勤したりするのは珍しくはないようです。
一人一人の「誕生日」は明治時代にはじまりました
安土桃山時代に入り、ヨーロッパの文化の影響を受けた織田信長が、自分の誕生日を祝ったそうです。しかし、庶民の間では、農事暦を用い1日刻みの労働サイクルでもなかったので、まだまだ日にちの意識は希薄だったそうです。
明治時代に入ってから満年齢が導入され、明治35年(1902年)12月22日に「年齢計算ニ関スル法律」(明治35年12月2日法律第50号)が施行され、ひとりひとりの誕生日が毎年やってくることを浸透させようという動きがありました。
しかし満年齢が導入されてもなかなか広く一般に普及しなかったため、改めて昭和25年(1950年)1月1日に「年齢のとなえ方に関する法律」(昭和24年5月24日法律第96号)を施行しています。したがって、日本で現在のような誕生日を祝う習慣ができたのは、早くても昭和25年(1950年)以降のことになります。
現在では誕生日に歳をとりお祝いをするのは当たり前になりましたが、法律で歳をとるのは誕生日の前の日、厳密には前日の午後12時になります。
前日の午後12時=当日の0時、なので感覚的には変わりはありませんが、前日に歳をとることから選挙権などに影響が出てくることがあるようです。
なお、誕生日前日に提出する書類などに満年齢を書き込む場合は、あくまでもその時の年齢でよいそうです。
ということで、日本で誕生日を祝うようになったのはごく最近のことなのです。日本ではケーキに歳の数のロウソクを立て、プレゼントを渡して誕生日をお祝いするのが主流になっていますが、海外ほど「誕生日はこうでなければならない」というしきたり等は少なく、まだまだいろいろな誕生日の過ごし方があるようです。
それぞれの過ごし方で、大切な人、また自身の誕生日を特別な日に、愛のあふれる時間にしていけたらいいなと思います。
(Atoreより引用)