新型コロナウイルスの感染が続く中、日本列島は夏の季節を迎えた。緊急事態宣言は全国で解除されたが、夏は空調の効いた屋内で過ごす機会が多く、人が集まれば「3密」の状態にもなりやすい。冬に出現した新型コロナの感染力や重症化率はどう変化するのか。
一般的に、新型コロナと同じインフルエンザなどの呼吸器ウイルス感染症は、寒い時期に感染を起こしやすく、重症化しやすい。
2009年新型インフルエンザの流行時は、英国では春夏の第1波より冬の第2波の方が死者が多く、日本でも秋冬は死者が多い傾向にあった。
「夏は重症者減る」
新型コロナはインフルエンザよりやや高湿度に強いものの、よく似た傾向を示しているという。
一般に、湿度が高くなると鼻やのどなどの粘膜にある繊毛の運動が良くなり、ウイルスなど異物を体外へ排出する働きが強まる。さらに、飛沫が乾燥せず比較的大きな粒子のまま空気中を漂うため、吸い込んでも肺に到達しにくく、鼻やのど付近にとどまりやすい。
こうしたことから、新型コロナは夏になると、冬よりも重症者の割合が減り、軽症で済む患者の割合が増えるのではないかという。
「人の行動の影響大」
新型コロナは冬の季節だった北半球だけでなく、暑い気候の南米、アフリカでも感染が拡大している。気温などの要素よりも、人類に免疫がないということが流行拡大につながっているのでは、と分析もされている。
感染拡大への影響は、気候や環境の変化よりも人の行動の方がずっと大きい、と指摘されている。夏になっても換気や人との距離を保つなど、引き続き冬同様の警戒が必要だとされています。
(産経新聞より引用)