「寝る前に食べると太る」と聞いたことがある人は少なくないでしょう。なぜそのようなことが言われているのでしょうか。
食べた後をどのように過ごすか…食後、胃や腸が働いて食べたものが消化・吸収されます。また、エネルギーや栄養素などとして使われやすい形にするために、肝臓では代謝が行われます。そのため、食後に安静にして過ごすことで、胃や腸、肝臓が活動するためのエネルギーを優先して使うことができるため、消化・吸収・代謝を効率的に行うことができるのです。 食後30分~1時間くらいで血糖値がピークになることでインスリンが分泌します。インスリンは、糖をエネルギーに変えて血糖値を下げる一方、脂肪の合成にもかかわります。そのため、太りにくい身体づくり、血糖値コントロールのためなど、健康的な食後の過ごし方は、食後30分くらいから適度に身体を動かすことです。そうすることで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができ、インスリンの過剰な分泌も防ぐことができるというわけです。つまり、食事の直後に横になって身体を休める分には良いが、その後に眠ってしまうことが習慣化してしまうと脂肪を貯め込みやすく太りやすいといえるでしょう。
どの時間帯に食べるか…食事をとる時間帯も身体に影響を与えます。とくに、『「夜」寝る前に食べる』ときには、注意が必要です。ただ単に、遅く帰ってきて、食べたらすぐ眠るので、太るということではありません。なぜなら、夕方から夜にかけて徐々にBmal1(ビーマルワン)という種類のたんぱく質の分泌が増えるという身体のメカニズムがあるからです。これは、脂肪細胞に脂肪を貯めこもうとするたんぱく質です。とくに、22時以降はこのBmal1の分泌が急上昇します。ですから、22時以降の食事が習慣化している人は、太りやすい習慣であるといえます。
普段の食事の内容を見直し、食事前後の習慣も見直してみると良いでしょう。
ポイントは
・就寝の3時間前には食事を済ませる。
・脂肪に変わりやすい、ごはんなどの主食、揚げ物などの脂質は、20時までに済ませる。それ以降の時間帯は、豆腐や納豆、脂の少ない肉や魚などのたんぱく質、野菜や海藻などのビタミンやミネラル類を中心に、身体の回復やメンテナンスのための食事とする。
・よく噛んで食べ、20分くらいかけて食べることで食べ過ぎを避ける。
・野菜を先に食べることで、血糖値の急上昇を防いだり、満腹感を得やすく、食後の眠気予防にもなります。
(Mocosukuより引用)