駅から15分の距離なら歩きますか、バスに乗りますか。疲れるのではなく、足のどこかが痛くなってしまう場合、ひょっとしたら、足の機能が衰えている可能性が考えられます。
足の機能が衰えると、それを補おうと、連鎖的に体のあちこちに負担がかかって、筋肉が硬くなり、すぐに疲れを感じ、時には足そのものが痛くなってしまうこともあります。
機能の回復には、足に合った靴とインソールなどを使用して歩くことが大前提ですが、その他、ストレッチで体の柔軟性を高め、筋トレで筋肉を使いやすくしておくことが大切です。
●1日1回はアキレス腱ストレッチ
歩くと足が痛くなる。そんな方に1日1回、必ずやってほしいのが、アキレス腱(けん)のストレッチです。昔からアキレス腱を伸ばすという表現をしますが、実際に伸ばしているのは腓腹筋(ひふくきん)です。腓腹筋が硬いと、歩くときに足首が前に倒れず、かかとが早く地面から上がってしまうため、踏み返しの時間が長くなってしまい、スムーズに歩くことができません。
その結果、歩幅が小さくなってしまうだけでなく、1歩を踏み出すごとに、余分なエネルギーを必要とします。また、踏み返しの時間が長いと、指の付け根に大きな力がかかってしまい、痛みや変形の原因にもなります。ペタンコ靴よりハイヒールの方が楽という人は、アキレス腱が縮んで、伸びにくくなっている可能性が高いです。
また、かかとや足の裏に痛みがある人は、硬いアキレス腱に引っ張られて、足裏の筋肉に負担がかかっている可能性が高いです。ストレッチで負担を軽減させておきましょう。
●伸ばしながら息をゆっくり吐く
壁や机などに両手をついた状態で、脚を前後にし、前脚をゆっくり曲げ、後ろ脚のふくらはぎが気持ちよく伸びる位置で1分間キープします。脚を入れ替えて反対も同じようにします。伸ばしながら、息をゆっくり吐くようにすると、さらに効果的。市販のストレッチボードや昔ながらの青竹を使うのもお勧めです。外出前とお風呂上りに必ず乗る習慣にするといいでしょう。アキレス腱につながるもう一つの筋肉、ヒラメ筋のストレッチも行いましょう。ヒラメ筋は、主に立っているときに使う筋肉なので、立ち仕事が多い人は、特にヒラメ筋のストレッチを入念に行うと疲れにくくなります。
正座をした状態から片方の膝を立て、両手で抱えます。座っている方の膝の位置と立てた足の指先をそろえます。立てた膝に体重をかけながら、上半身を前に倒していきます。
このとき、息をゆっくりと吐きます。ふくらはぎの筋肉が気持ちよく伸びた状態で1分間キープ。反対の足も同様に行います。
●筋力アップも必要
ストレッチで柔軟性を高めるのと同時に、筋力をアップするトレーニングも行いましょう。疲れにくい歩き方をするためには、最低限の筋力が必要です。壁に向かって両足を肩幅に開き、つま先と膝の向きを前にそろえて立ちます。壁に両手をつけて、サポートします。壁がなければ、椅子の背につかまっても構いませんが、姿勢が前かがみにならないよう、真っすぐに立つようにします。
膝を伸ばしたまま、かかとを上げたり下ろしたりを繰り返します。重心が小指側にいかないよう、親指と人さし指の間くらいに重心がかかるのを意識します。
まずは20回からスタートし、楽にできるようになったら30回、40回と回数を増やしていきます。
運動は日常生活パターンの中に取り入れて、長く続けることが大切。準備運動として、以上のトレーニングを行い、足にも全身にもやさしい運動習慣が身に着くようにしましょう。
(JIJI.COMより引用)