花粉症の症状はいろいろあるけれど、なかでも集中力低下や睡眠障害、味覚低下も引き起こす「鼻づまり」はつらいもの。そこで今回は、鼻づまりのメカニズムとその解消法を紹介します。
鼻づまりは鼻水が詰まった状態と思われがちですが、じつは違うそう。東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教室准教授の近藤健二先生はこう言います。
「ウィルス感染による鼻炎と同様に、花粉によるアレルギー性鼻炎でも『鼻づまり』と『鼻みず』は同時に発症することが多いので、症状を混同してしまうことも多いのですが、鼻づまりと鼻みずは病気の仕組みが異なるのでそれぞれに個別の対処が必要です」(近藤先生)
そして鼻づまりのもっとも一般的な原因といわれているのが、鼻の粘膜の腫れによるものだとか。アレルギー性鼻炎、風邪、ウィルス感染症などにかかると、鼻の粘膜に炎症が生じ、血管の拡張が起こります。その結果、鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで、鼻づまりが引き起こされるのです。
そして鼻づまりになると、残念なことに味覚が低下します。風邪を引くと食べ物の味が分かりにくくなるのは、味覚が麻痺したからではなく、鼻が詰まってにおい物質が嗅上皮に届きにくくなり、においが分かりづらくなった結果、味が分かりにくくなるということだそう。
鼻づまりを一時的に解消する3つの方法
年度末や新年度、お花見などでお食事やお酒を楽しむ機会も増えるのに、鼻づまりになっては美味しさも半減し、とても残念です。しかしさらに残念なことが。それは飲酒で鼻づまりが悪化するということ。アルコールとアレルギー性鼻炎の関係に関する研究結果によると、アルコールには血管拡張作用があることが判明しています。つまり、アルコールの摂取は鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで引き起こる鼻づまりを誘因し、さらには悪化をさせてしまうというのです。
とはいえ、せっかくの機会なのでお酒もたしなむ程度には楽しみたいもの。そこでもし症状が現れ、「今すぐ鼻づまりをなんとかしたい!」というときに試したいのが、即効性があり、一時的に解消できる次の3つの方法です。
1. 鼻を蒸しタオルで温める
2. 靴下・足湯・足裏カイロで足を温める
3. ペットボトルやラップの芯などを使ってわきの下に圧力をかける
また、適度な運動を行うことも交感神経を刺激するため、鼻腔の通期度を上げる改善策として挙げられます。
もちろん、これらはあくまでも一時的なものなので、症状が続くようなら医療機関にご相談を。