2019.2.18
「マイナンバーカードが保険証に」
政府は15日の閣議で、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにすることを盛り込んだ健康保険法などの改正案を決定した。
カードの利便性を高めて普及を促すとともに、受診時の本人確認を確実にし、医療保険の不正利用を防ぐ狙いだ。2021年3月からの施行を目指す。
新たな仕組みでは、医療機関の窓口に設置する専用機器でマイナンバーカードの裏側のICチップを読み込む。専用機器は、保険診療の支払い審査を行う「社会保険診療報酬支払基金」などとつながっていて同基金がカードの所持者の健康保険証の情報を送信、医療機関が保険資格を確認できるようになる。これまで通り健康保険証も使用できる。システムを導入した医療機関では、患者はカードがあれば保険証を見せる必要がなくなり、医療機関側も事務作業の負担が軽減する。医師は患者の同意があれば過去の受診歴や薬の処方歴も確認できる。
普及率が1割にとどまるマイナンバーカードの取得者を増やす狙いもあり、2021年3月の施行を目指す。医療機関のシステム整備費への補助金など約300億円を来年度予算案に盛り込んでいる。また、今年4月の改正入管法施行によって外国人労働者の受け入れ拡大が見込まれることを踏まえ、健康保険を使える扶養家族に「国内在住」の要件を付ける。入管法改正の議論で健康保険の悪用への懸念が出たことへの対応。海外留学する子どもや海外赴任に同行する家族は例外とする。来年4月に施行する。
このほか、来年10月から医療保険の患者に関するデータベースと介護保険の利用者に関するデータベースを連結して分析できるよう改め、研究機関などの利用が可能になる。75歳以上の後期高齢者について、医療や健診、介護などの情報を市区町村が高齢者ごとに一括して把握できる規定も整備。高齢者の健康管理に役立てる。
医療・介護関連法改正案の骨子
・マイナンバーカードが健康保険証として利用可能に(2021年3月~)
・健保の扶養家族に原則「国内在住」の要件(2020年4月~)
・医療、介護保険のデータベースを連結して分析可能に(2020年10月~)
・市区町村が後期高齢者の医療、健診、介護情報を一括管理(2020年4月~)
毎日新聞、時事通信社より引用