2019.1.21

「冬は健康トラブルが多い?」

気温も湿度も低くなる冬場は、感染症を引き起こすウィルスが活性化しやすくなります。また、寒いと体温が下がることで体の抵抗力も低下します。そのため、冬は感染症が流行しやすいのですが、特に高齢者は、他の世代よりも抵抗力が弱くなっているため感染症にかかりやすく、いったん発症すると重症化や合併症を起こすことも少なくありません。さらに、この他にも、寒さが原因で高齢者に起きやすい健康トラブルもあります。高齢者がこの時期を健康に過ごすには、いろいろと注意が必要です。

<ヒートショック> ヒートショックとは、急激な寒暖差により脈拍や血圧が急変することで、心筋梗塞や脳出血などの重大な病気に繋がる恐れがあります。高血圧や動脈硬化を患っている人ほどリスクが高く、高齢者の室内での死因の4分の1がヒートショックによるものといわれています。ヒートショックは予防に努めることが何よりです。家の中で起こることがほとんどで、特に起きやすいのが暖房の効いた部屋から寒い浴室やトイレに移動したときです。入浴前に脱衣室や浴室を暖めておく、トイレに安全な暖房器具を置くなど、家の中の寒暖差をなくす工夫をしましょう。

<低温やけど> それほど高くない温度の熱源に長い時間接触することで起きるやけどのことです。高齢者は皮膚の感覚が鈍くなっているため、低温やけどになりやすいといわれます。低温やけどは熱さに気づかず進行することが多いため、未然に防ぐことが重要です。暖房器具やグッズは取扱説明書をよく読み、使い捨てカイロや湯たんぽなどを直接肌にあてたり、体の同じ部位を長時間暖めないようにしましょう。

<転倒> 高齢者が転倒すると、骨折しやすく、そのまま寝たきりになることもあります。路面に積雪や凍結があると、転倒しやすくなります。雪の日や、冷え込みの厳しい日は、外出を控えるか、出かける場合は周囲の状況をよく確認して移動することが大切です。 高齢になると、ちょっとした健康トラブルが長引いたり、重症化しやすいものです。以上のポイントに気をつけて、冬を元気に乗り切りましょう。