2018.5.28

「夏に備え「汗トレ」 ベタベタ汗の人は入浴で改善」

夏本番前に始めたいのが、汗をしっかりとかける体をつくる発汗トレーニング。入浴法や運動など、汗腺の機能を高める効果的な方法を紹介します。本格的に暑くなる前にぜひ“汗トレ”に取り組んでみましょう。

気温が高くなったり、運動をしたりして体内に熱が生じると、汗腺から汗を分泌し、皮膚から蒸発させることで体温を調節します。汗腺は血液から血球を除いた血漿(けっしょう)をくみ上げて汗の原料としていますが、体に必要なミネラル分はろ過して血液に戻し、残った水分が汗となります。
汗腺機能が正常であれば、汗は小粒で水のようにサラサラしていて、蒸発しやすい「良い汗」となります。汗腺の機能が衰えていると、ミネラルの再吸収がうまくいかず、大粒でベタベタとした、蒸発しにくい「悪い汗」となってしまいます。水に近い良い汗はほぼ無味無臭ですが、血漿成分が多く残る悪い汗は、皮膚表面にある雑菌を繁殖させるため不快な臭いを放ちやすく、悪い汗は体に必要なミネラルを奪うため、夏バテや熱中症を招く原因にもなります。今の時期から汗腺機能を高めて、良い汗をかけるようにしておくことが大切です。

汗腺機能を高めるトレーニングとして、2種類の入浴法を組み合わせる方法があります。
一つは休眠している汗腺が多い手足の先を、42~43度の熱めのお湯で温めて目覚めさせる「手足高温浴」。もう一つは36度前後のぬるめのお湯で体を中心から温め、じっくりと汗をかく「半身微温浴」です。入浴の前後や最中には水分を補給し、湯上がり後は自然に汗が引くまでクールダウンしてから着替えます。この入浴法を2~3週間続けると、汗腺機能が高まります。手足高温浴で汗が出にくかったり、皮膚が赤くなったりする人は汗腺が衰えているサイン。その場合は、40度程度の低めの温度から慣らしていくのが良いです。

適度な汗を上手にかける体づくりをするのに手軽に始めやすいのが、ウオーキングなどの有酸素運動です。休みの日は20~30分のウオーキングやジョギングなどでしっかりと汗をかきましょう。運動時は血圧の状態など体調を確認し、のどが渇いたと感じる前に、ミネラルを含むスポーツ飲料などで水分補給を。かいた汗は固く絞ったぬれタオルなどで拭くと、体のクールダウンを助け、臭いも防ぐことができます。

また、入浴法や有酸素運動と並行して筋力トレーニングに取り組むと、代謝が高まり、脂肪が燃焼しやすくなることで、発汗を促すことができます。夏が始まる前に入浴法や有酸素運動で良い汗がかける体作りをしていきましょう。

NIKKEIプラス1 より引用