2017.11.30
「デジタル認知症」について
スマホ等のデジタルに頼り切ることで、記憶力や集中力、注意力、計算能力等が低下し、電話番号が覚えられなかったり人名を忘れてしまう、道に迷うなど、生活に支障をきたし、それらのミスからストレス等精神的にも悪い影響を及ぼしている状態のことをデジタル認知症といいます。
「デジタル認知症」という言葉はドイツの精神科医マンフレッド・スピッツアーの著書タイトルに由来します。この本が書かれた当時はパソコンでインターネットに没入するケースやゲームが中心でしたが、現在ではスマホやタブレット、さらには携帯ゲーム機や音楽プレーヤーでもネット接続が可能なため、あらゆる機器に依存し過ぎてデジタル認知症に陥る可能性が高くなっています。
デジタル認知症は認知症とは別物です。認知症のような症状が出ることからそう呼ばれていると認識したほうが良いでしょう。しかし、そこから若年性認知症になるとしたらこれは恐ろしい予兆になります。ソウルのバランス脳センター医師は、こういったデジタル機器(スマホやゲーム機等)を使いすぎることで、脳がバランスよく発達できず、様々な症状を引き起こすのだと言います。
上記の医師によると、10代の若者で、デジタルに頼りきっている人の中に、脳損傷を起こした際と同じような認識力の低下が起きていることがわかったそうです。若者(18~39歳)を調べた結果、その1割以上に記憶力の低下がみられたといいます。この医師によると、デジタル認知症の人の14%が若年性認知症になるそうです。元のデジタル認知症という診断をどのレベルで出すかによって違いますが、それにしても高い数字であるとわかります。
デジタルに頼り切ると、右脳に支障をきたし、さらに記憶するという当間のことをどんどんスマホにメモして済ませてしまうことにより、記憶を司る海馬が衰え、脳が衰退していきます。これがずっと続いていくと、若年性認知症に移行する危険性があるということなのでしょう。
また、依存症が重症化すると、脳内でドーパミンなどの快楽ホルモンが過度に分泌されることになり、その結果、脳内物質のバランスが崩れて神経細胞が死滅し、脳に回復困難なダメージを与えて認知症に近い症状を引き起こす、という研究報告もあるそうです。
もし、現在、スマホを自宅の中でも持ち歩き、常に気にしているのであれば相当デジタルに頼っている状態です。寝室やトイレ、浴室には持ち込まない、と決めるだけでも少しはデジタルから解放されるでしょう。読書やマージャン・トランプなどの手で遊ぶゲーム、スポーツ等、アナログな趣味につかう時間を増やしてみるというのも良い方法です。
参考・引用:
「時事メディカル」
「認知症で要介護にならない脳トレ予防の老年若脳」