2017.05.10
「食中毒:アニサキス」
生の魚介類に付いている寄生虫「アニサキス」による食中毒の報告件数が急増している。厚生労働省の統計によると、2007年は6件だった報告件数は2016年には20倍の124件に増えている。
食中毒の原因としてノロウイルス、カンピロバクターに次いでアニサキスは3番目多い。「報告は氷山の一角」との指摘もあり専門家が注意を呼び掛けている。
アニサキスの幼虫(体長:2~3cm)は魚介類の内臓に寄生し鮮度が落ちると筋肉に移動して人がそれを生で食べると、数時間後に激しい腹痛や嘔吐などの症状が出る。治療は一般的に胃カメラを用いて虫体を鉗子で摘んで摘出するがアニサキスが胃壁を破り外に出た場合は開腹手術が行われる。アニサキス寄生虫は人間とは共存できず、胃液により死滅するが生存期間は1~2日、長いもので4日位。
原因食品はサバが最も多く、サンマ、アジ、イカなどでも起こる。シメサバによる報告も有る。料理に使う程度の酢、塩、醤油、ワサビなどでは予防はできない。
ここ10年ほどのアニサキスによる食中毒増加の原因は生の魚介類の流通の多様化にある。鮮魚市場を介さず産地から業者が直接買い付ける「相対取引」が盛んになり、消費者の口に入るまでの経路が複雑なっている。
国立感染症研究所の杉山宏・寄生動物部第二室長が約33万人の診療報酬明細書(レセプト)のデータを使って推計したところ、年間発生数は約7000件に上ったと言う。
アニサキスの食中毒を防ぐには
加熱、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍する
鮮度の良い物を選ぶ
速やかに内臓を取り除く
内臓は生で食べない
刺身を食べる時は細かく砕く様に良く噛むことが大事
良く目視してアニサキスが居るかどうか
毎日新聞より引用