2019.1.28
「食道胃接合部がん 年1回、内視鏡検査を…近年急増、胃酸の逆流注意」
食道と胃の境界にできる「食道胃接合部がん」の患者が増えています。食生活の欧米化や肥満、加齢が発症に関係しているとされます。胸焼けや胃酸が逆流するなどの症状がある人は年1回、胃内視鏡検査の受診が勧められます。
食道と胃はつながっていて、いずれも上部消化管に分類されますが、食道は主に胸部、胃は腹部にあり、内側の粘膜の組織はそれぞれ大きく異なります。 口から入った食べ物は、食道を通った後、胃の中に2~4時間とどまり、消化液でドロドロの状態にされた後、腸へと送り出されます。食道と胃の境界では、食べ物が戻らないようにするため、下部食道括約筋という筋肉によって開いたり閉じたりしています。この境界付近の3~4センチの部分を「食道胃接合部領域」と定義し、ここでできるがんを食道胃接合部がんといいます。
がんができる主な原因として、胃酸の逆流が挙げられます。肥満による腹圧の上昇や、加齢による括約筋の緩みなどで起こりやすいとされます。また、ピロリ菌を除去すると胃酸の分泌が増えますが、これも一因と考えられています。
がんができると周辺の組織が硬くなり、食べ物が食道から胃へとスムーズに流れにくくなり、飲み込んだときにつかえるなどの違和感が出ることがあります。これは食道がんの自覚症状に似ています。胃に気持ち悪さを感じる人もいます。胃酸の逆流が起きると、酸っぱい液体が口に戻ったり、胸焼けを覚えたりします。食道が胃酸にさらされ炎症が起きる「逆流性食道炎」を疑い、内視鏡検査をしてがんが見つかることもあります。
胃酸の逆流には、肥満や、就寝直前の飲食、胃酸の分泌が増える食習慣など、個々の努力で改善できるものもあります。症状がある人は定期的に検査を受けましょう。バリウムによる胃透視では早期発見が難しいので、必ず内視鏡検査を受けて下さい。
ヨミドクターより引用