2019.01.10

「「記憶」薬で戻る」

記憶を担う神経を働きやすくする物質「刺激物質ヒスタミン」が脳内で増える薬を飲むと、忘れていたことが思い出せるようになるとの実験結果を北海道大学や京都大学などのチームが8日付けの米生物学的精神医学会誌に発表した。認知機能障害の治療薬の開発につながると期待される。

人体実験では眩暈に対する処方薬「ヒスタミンを増やす薬」を通常より多量に投与した。チームの池谷裕二東京大教授は「思い出したくないことを思い出すなど、薬の影響にはまだ不明な点も多くあるので自己判断で服用しないでほしい」と話した。

この実験ではヒスタミンの分泌促進作用のある市販薬と偽薬(プラセボ)を活用。20~40代の男女38人が参加。最初に128枚の写真を見せ、1週間後に多数の写真の中で、どれが最初に見た写真かを答えてもらった。

ヒスタミンを増やす薬を飲んでから答えた時の正解率は46%で飲まない時より3%上回った。特に思い出すのが元々不得意な人は、薬によって正解率が28%から55%へ大きく向上した。

逆に、薬がなくても良く思い出せる人は、薬を飲むと正解率が61%から39%に低下した。引き出したい記憶に関連した神経以外の何らかの作用が働いてしまい、混乱(ノイズ)を起こした可能性がある。

ヒスタミンは血中に多くなるとアレルギーを引き起こすが、今回の薬には悪影響は認められなかった。

 

年初めに初笑い川柳(シルバー川柳傑作集より)

脳ボケに STOP細胞 ないかしら

恋かなと 思っていたら 不整脈

帰宅して うがい手洗い 皿洗い

ぐれてやる それならじいちゃん 呆けてやる

「アーンして」 むかしラブラブ いま介護