2018.09.05
「金属アレルギー」
金属アレルギーは、金属が汗などの影響でイオン化して溶け出し、体内のたんぱく質と結合・変化しアレルゲン(原因となる物質)となることで生じます。金属アレルギーはアレルゲンが入ってから1日から数日で反応が起きる『遅延型アレルギー』に分類されますが、なかには数十年を経て突然発症するケースもあります。繰り返し金属と接触していてもまったく発症しない人もおり、このような個人差を生じる原因ははっきりとは解明されていません。
①金属接触アレルギー(いわゆるカブレ)
直接皮膚や粘膜に触れる金属は汗などの影響を受け、溶け出して体内に入り、その後再び金属が触れた部分にかゆみ、発赤、発疹、水疱、びらんなどを起こします。また慢性化すると皮膚が厚くごわごわし治り難くなります。なお、口腔内では、口内炎や歯肉炎などを起こすことがあります。
②全身型金属アレルギー
食品に含まれる金属、薬、歯科金属などは、口腔粘膜や腸から吸収され、汗に濃縮されて全身から出ることとなり、その汗と接触した皮膚に症状を起こします。
アレルギーを起こしやすい主な金属は、ニッケル、コバルト、クロム、水銀です。なかでも、ニッケルはメッキとして、また合金製のアクセサリーなどにも多く使用されており、ピアス、イヤリング、ネックレス、腕時計、眼鏡のフレーム、下着の金具など注意が必要です。特にピアスは、金属が直接、長期間体液と触れる状態になるため体内に取り込まれやすくトラブルを起こしやすいものです。コバルトは、メッキ、セメント、粘土、塗料、顔料などに、クロムは、なめし革や染料などに、そして水銀は消毒剤や防腐剤などにも含まれます。また、ニッケル・コバルト・クロムの金属を共通して含む食品には、チョコレート、紅茶、ココア、香辛料、豆類、ナッツ類があります。歯科の金属では、上記の4つとパラジウムがおもに問題となりますが、合金の形で使用されるため、その組成を100%確認するのは難しい場合もあります。反対にアレルギーを起こしにくい金属としては、金、プラチナ、チタンなどがあげられます。
生活の中には、あらゆるところに金属が存在しています。治りの悪い皮膚炎などがある場合は、金属アレルギーの可能性も考えて、身につけている物や口の中などをチェックしてみてはいかがでしょうか。
ティーペック健康ニュースより引用