2018.7.2

「黄疸」

総ビリルビン=間接(非抱合型)ビリルビン + 直接(抱合型)ビリルビン

間接ビリルビン(非抱合型):肝臓で処理される前のビリルビンで水に溶けずアルブミンと結合している。

直接ビルルビン(抱合型):肝臓でグルクロン酸抱合を受け無毒化されたビリビンは水に溶け、胆汁に混ざり小腸に分泌後、腸内細菌によりウロビリノーゲンとなり排便される。一部は再吸収され血中から尿へと排出される。

赤血球が寿命を迎えるなどして破壊されると赤血球中のヘモグロビンの最終代謝産物がビリルビンです。その「ビリルビン」という黄褐色の色素を持つ毒素が血液中に多量に増え身体が黄色く見えることを黄疸と言います。

黄疸はなにが原因で起こるのでしょうか。

  1. 肝臓の疾病でビリルビンの処理が弱まる。・・・・「肝細胞性黄疸」

通常、ビリルビンは肝臓で毒素を弱められ、胆汁という肝臓が出す消化液と混ざり腸を通って体外に排泄されます。これが肝炎、肝臓癌などによって肝臓機能が弱まってしまうと、ビリルビンの処理ができなくなりビリルビンは血中に増え黄疸の原因となります。

 

  1. 肝臓からビリルビンを流す「胆管」や膵液を流す「膵管」は合流して総胆管となる。そこに石や腫瘍などが塞いでしまう。・・・「閉塞性黄疸」

肝臓でうまくビリルビンを処理できたとしても、胆汁を流す管が詰まってビリルビンは体外に排泄されず血中に増え黄疸の原因となります。

また、新生児においても「胆道閉鎖症」という病気があります。黄疸がきつく、便が白いときはすぐ病院へ受診して下さい。

 

  1. 赤血球が大量に破壊され溶血がおこる。・・・・・「溶血性黄疸」

血液の免疫系に異常があると赤血球は大量に破壊「溶血」が起こります。肝臓で処理できる限界を超えたビリルビンが血中増え黄疸になります。

 

  1. 遺伝的な要因でビリルビンが排泄しにくい人。・・「体質性黄疸」

成人に見られる遺伝的な要因が原因で軽度の黄疸になります。しかし、日常生活に支障無く治療の必要も有りません。

 

  1. 新生児におけるビリルビン処理未発達による。・・「生理的黄疸」

新生児はほぼ80%が黄疸を発症します。これは血液中のビリルビンを処理する能力が未発達であるために起こる現象であり、成長すれば自然と消える黄疸なので心配はいりません。ただし、長引く黄疸や便が白い時は胆道閉鎖症の可能性もあるので医師に相談下さい。