2018.5.16
「健康的な体を作ろう」
花粉や黄砂(こうさ)の飛来(ひらい)を気にせずに、屋外でのスポーツを思いっきり楽しめる季節がやってきました。春は花粉症のランナーやウォーカーにとって受難の季節でした。しかし、花粉は去ったとはいえ、空気中には車の排気ガスや粉塵(ふんじん)をはじめとする体によくないものがいろいろ漂っています。これは屋外に出るとき、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動をするときは特に気になるのではないでしょうか。最近話題になっている「デトックス」それは、日々体にたまっている毒素を排泄させるという健康法です。デトックスが人気なのは花粉症やアレルギー、喘息などの症状が増えて、アレルゲンや化学物質など、体内に何か悪いものが溜まっている、と感じている人が増えてきているからだといえます。
体の中の”毒”として、「活性酸素」があります。酸素は私たちが生きて行くのに欠かせないものですが、体内に入るとちょっとしたきっかけで「活性酸素」という物質に変身します。活性酸素は老化やガンや生活習慣病につながるといわれている物質。体内の細胞と結びついて酸化(サビ)させることで、細胞の正常な働きを失わせてしまいます。体の中にはこの活性酸素を無害なものに変える力を持つ「スカベンジャー」という酵素があります。”廃品回収者”という意味の名を持つこの酵素は健康の強い味方。体内の活性酸素と結びついて、無害な物質に変える体内のお掃除部隊です。しかし、これも20歳をピークに、体内で作り出す力が徐々に低下してしまいます。
では、体内に活性酸素をなるべく作らないようにするにはどうしたらいいのでしょう。活性酸素は、呼吸をして、食べて、歩き、眠る、ごくごく普通の生活をしていても発生します。つまり生きている限り縁は切れないもの。そして、激しいスポーツをする、喫煙、紫外線、大気汚染、加齢、食品添加物などの摂取、強いストレス、肥満などによって、特に大量に発生しやすいといわれています。健康のためのスポーツが体内に活性酸素を増やす原因になることもあるわけです。環境汚染、オゾン層破壊による有害な紫外線の増加、OA機器などの電磁波や人間関係、過労など。現代社会には活性酸素を増やす要素がいっぱいです。
体の”サビ”、活性酸素を退治するためには、日頃から抗酸化作用のある成分を補充する必要があります。それは、ビタミンACE(エース)、亜鉛、セレンなどのミネラル、そして、これまた最近よく耳にするポリフェノールやカテキンなどのファイトケミカルです。”ファイト”とは、ギリシャ語の「植物」。主に植物に含まれる苦み,香り、色素などの成分で、ビタミンをはるかにしのぐ強い抗酸化作用を持つ物質です。 また、有害物質に負けないためには、免疫力を高めることが必要です。腸は免疫のシステムをコントロールする重要な場所。ヨーグルトなどで乳酸菌を摂ることで善玉菌の多い環境をつくり、免疫力を高めることができます。他にも、運動をする、適度な休息をとる、質のいい睡眠をとる、朝・昼・晩とバランスよくしっかり食べる、といった健康な生活のリズムを身につけることも大切です。小さな習慣の積み重ねが、健康へと大きくシフトしていきます。有害物質やストレスと戦う、強いからだを手に入れましょう。
Meiji 食コラムより引用