2018.03.22
『生命力あふれる旬の春野菜を食べる』
ふきのとう、なのはな、たけのこ、春キャベツなど、春のほんの短い期間にしか味わうことのできない旬のものは、まさに自然からの贈り物。寒さが厳しい時季に、地中から芽を出し成長するために必要な栄養素や害虫などから身を守るための成分がじっくりとため込まれるため、春野菜は栄養豊富なうえに解毒作用や抗酸化作用などの働きがあるといわれています。特有の「苦味」や「香り」に春の到来を感じるという方も大勢いるかと思いますが、その「苦味」や「香り」にも春野菜だからこその理由があるのをご存じでしょうか。
◎「苦味」と「香り」が春野菜の特徴
「春の皿には苦味を盛れ」といわれますが、日本では古くから、春野菜特有の苦味や香りは心身に刺激を与え、身体機能を活発化させる働きがあるといわれてきました。春野菜特有の「苦味」のもととなっているのは植物性アルカロイドという成分です。植物性アルカロイドには、腎臓のろ過機能を向上させ、新陳代謝が衰える冬の間にため込まれた老廃物を体の外に出してくれる解毒作用の働きや、新陳代謝を促進する働きがあります。せり、セロリ、あしたば等のセリ科の春野菜の「香り」の成分には精油成分のテルペン類が多く含まれています。テルペン類は、血圧を下げたり、血行を促進したりする作用や抗酸化作用、心を落ち着かせる作用などがあります。キャベツやなのはな等のアブラナ科の野菜には、グルコシノレートという「辛味」のもとになる成分が含まれており、肝臓の解毒機能を強化することがわかっています。さらに、春野菜には、なのはな、せりなどのようにカロテンが多く含まれているのも特長です。カロテンは抗酸化作用が大きいばかりでなく、免疫増強作用があることがわかっています。体が、その季節ごとに必要としている栄養分をたっぷりと蓄えているのが旬の野菜です。
雪解けの土の隙間や、絡み合った枯れ草を押し退けて、元気よくちょこんと頭を出し伸び始めた緑に輝く小さな芽には、まさにみなぎる生命力を感じます。そんな春の植物のパワーを体に取り込んで、日々健やかに、力強く生活していきたいものです。
「生命力あふれる旬の春野菜を食べる」 ~ティーペック健康ニュースより引用