2018.2.20
「JALの地上職員は小さな「っ」を使わない」(河出書房新社の著者・上坂徹氏)
破綻から奇跡の復活を遂げた日本航空(JAL)。「JALの心づかい」(河出書房新社)の著者・上坂徹氏は「好調な業績を支えているのはサービス力の高さ、特にグランドスタッフ(地上職員)の優秀さという。キャビン・アテンダントは常に注目され、関連の書籍も沢山ある中、著者はいつも笑顔で的確な対応してくれるグランドスタッフの素晴らしいサービスがどのようにして、身に着けられるのかと思っていた。
「人の印象は一瞬にして決まる」と言われていますが、チェックインや搭乗ゲートなど、グランドスタッフに許されている時間は一瞬。その一瞬に悪いイメージが付いてしまうと挽回のチャンスはほとんど無い。そこで「いいサービスしてもらえた。孝印象だった」と思ってもらうのが、いかに至難の業か。
様々なシチュエーションに臨機応変に対応
乗客は旅行、ビジネス、帰省、家族での移動など様々なニーズが求められ、それを瞬時に把握して空港や飛行機に関する知識、乗継や空港情報の知識を総動員して乗客の満足度を上げていくのである。
いかに「お客さまに寄り添う」ことができるか
これは究極のサービスは徹底したプロフェショナルリズムやおもてなしの精神でお客様に接する。サービスというのはおもしろものでお客が「心持がいい」「幸せな気持ち」と感じれば感じるほどサービスを提供している側はより一層の努力をするものである。
新入社員の教育訓練はわずか2週間
ともすれば、チェックインカウンターや搭乗ゲートの対応は全てマニュアルで決められていると思われていそうであるが、それは違う。
もちろん、身だしなみや立ち振る舞いに関しては厳しく指導が行われるが接客については基本的なルール有るがその時々に応じてふさわしい対応を心がける。
訓練後は各職場で上司、先輩に学び自分なりサービスを作り上げていく。そのベースに成るのが、破綻後のJAL再生の礎となった行動哲学「JALヒィロソヒィ」である。
新人社員の教育の一つを紹介すると小さな「っ」は使わない
学生時代の言葉から社会人の言葉へと直していくのに小さな「っ」使わない。
「あっちから持ってまいります」が「あちらからお持ちいたします」
に変わる。「あっち」「こっち」が「あちら」「こちら」に変えられる。