2017.10.24
「50歳になったら骨粗鬆症に注意 予防のための6つの法則」
10月20日は「世界骨粗鬆症デー」だった。国際骨粗鬆症財団(IOF)は、女性に骨粗鬆症が増えているのを受け、骨の健康を守るためにすぐに行動を起こすよう呼びかけている。
骨粗鬆症と骨折による障害が起こりやすいのは、閉経後の女性だ。世界の骨粗鬆症の有病者数は2億人と推定されており、50歳以上の女性の3人に1人は骨折の危険性が高いという。
実は45歳以上の女性で入院治療が必要となる病気は骨粗鬆症が多く、糖尿病、心臓病、乳がんなどを上回っている。骨粗鬆症が原因で起こる骨折は、痛みや動作不能、生活の質(QOL)の低下をもたらす。女性の健康において、骨粗鬆症は特に深刻な病気です。 6つの法則で骨質を高め骨粗鬆症を予防
骨粗鬆症は、早期にリスクを知り、対策することで予防や管理が可能だ。有効な対策を施さないでいると、たとえ平均寿命が延びたとしても、骨折のリスクを抱え、健康寿命が短くなり、自立した生活をおくれなくなるおそれがある。 骨粗鬆症は、骨吸収(骨が溶ける)と、骨形成(骨を作る)のバランスが崩れることで発症する。閉経後の女性は、骨形成に対して骨吸収が優勢になり、骨質が低下しやすいという。
国際骨粗鬆症財団は、骨質を高め、骨折を防ぐために、次のことを勧めている――
バランスの良い食事
カルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとることが大切。カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれる。毎日の食事で、カルシウム200mg(牛乳1本分)を摂取することを心がける。
ダイエットに注意
ダイエットをして栄養が不足すると、必要なカルシウムの摂取量も減少する。若い女性が厳しいダイエットをすると、中年以降に骨量の減少が起こりやすい。必要な栄養素をしっかりととることが大切だ。
骨を強くする運動
骨を丈夫にするために、食事と同じくらい運動が大切になる。若いころに運動をしなかった人は、年齢が高くなると骨が弱くなり、骨折しやすいことが知られている。
若い頃から、30分の運動を週に3~4回行うことを習慣にすると、骨粗鬆症を防げる。有酸素運動に筋力トレーニングを取り入れると、いっそう効果的だ。年齢とともに筋力トレーニングはますます重要になる。
日光を浴びる
ビタミンDはカルシウムの吸収を良くする、骨形成に欠かせない成分で、食事からだけではなく、日光浴により皮膚でもつくられる。夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たることを心がける。
喫煙とアルコールに注意
喫煙と過度のアルコール摂取は、骨粗鬆症のリスクを高める。体重の少ないやせた女性ほど、アルコールの弊害を受けやすいので注意が必要だ。
検査を定期的に受ける
閉経後は、医師に骨の健康状態を評価してもらうことが必要となる。骨折リスク評価を依頼し、必要と診断された場合は骨密度検査を受ける。治療が必要と診断された場合は治療を開始する。現在は多くの種類の骨粗鬆症の治療薬が使用されている。
健康指導リソースガイドより引用