2017.08.08
「台風5号「長寿」歴代4位 発生から丸17日」
台風5号は7日、発生から丸17日となり、過去に日本に上陸した中では最も長時間、台風の勢力を維持し続けた「長寿台風」となりました。台風を動かす風が弱く、ふらふらと迷走したため。ゆっくり進むと同じ場所で雨が降り続き、被害が大きくなりやすく、気象庁は土砂災害や浸水への警戒を呼びかけています。
気象庁によると、台風の「寿命」は平均5.3日。統計の残る1951年以降、最も長寿だったのは86年の台風14号の「19日と6時間」だが、日本には接近しなかった。今回の台風5号は歴代4位の記録。8日も台風としての勢力を保つとみられ、さらに記録を更新する可能性があるとされています。
台風5号は7月21日午前9時、日本最東端の南鳥島近海で発生しました。円を描くように進んでから小笠原諸島付近に南下して勢力を増しました。さらに奄美大島付近で進路を西から北東に変え、九州や四国に上陸するとの予想を覆し、最終的に近畿に上陸するなど、迷走ぶりが際立ちました。 気象庁によると、太平洋高気圧の張り出しが弱く、高気圧の縁を回る風の影響を受けなかったことで、ふらふらと千鳥足のような予測しづらい進路になった。さらに日本列島付近で台風を東に運ぶ役割の偏西風も弱く、列島に接近してからもノロノロと進むことになったといいます。
東海地方。各県によると、強風や突風のため3県で9人がけがをし、60棟以上の民家に被害が出ました。愛知県豊橋市内では竜巻の可能性もある突風が発生し、被害が広がりました。突風は午後4時半ごろ、豊橋市前芝町付近で発生しました。運転中の大型トラック2台が相次いで横転、コンビニエンスストアの窓ガラスが大破したほか、民家約30棟に被害が出ました。走行中の車の後部座席にいた6歳男児と自宅にいた60代男女の計3人がいずれも窓ガラスを割って飛び込んできた物に当たってけがをしました。
九州や四国などに大雨を降らせた台風5号は7日、近畿に上陸し、北東に進みました。当初は九州に上陸し、中国地方から日本海に抜ける予測などもありましたが、進路が東寄りにずれたため、大雨の影響が東日本や北日本などにも広がる見込みとなっています。
同庁によると、九州の北にある気圧の谷が予想より深まらなかったため台風を北に引っ張る力が弱く、相対的に東へ進む力が強まったとみられています。今後の予測も難しく、同庁は8日朝、日本アルプスに沿って北寄りに進むとみていますが、進路を変える可能性も残っているといいます。
台風5号は8日、東日本を北東に進み、9日夜までに東北地方の日本海側で温帯低気圧に変わる見込みです。動きが遅いため、大雨や強風が長く続くおそれがあり、気象庁は土砂災害などに警戒を呼びかけています。
毎日新聞より