2017.07.01

「医師の死亡診断、遠隔で可能に スマホで看護師から報告」

 

医師による対面が原則の死亡診断について、厚生労働省は今年度内に規制を緩めるとしています。医師がすぐに駆けつけることができない場合に、スマートフォンなどを通じて患者の状況を把握することなどを条件に死亡診断書をだせるようにするそうです。高齢化に伴い死亡者が増える多死時代を迎えるなか、自宅や介護施設、離島などでのみとりがしやすくなるとされます。

 

医師法は、死亡診断書の交付に医師の診察を義務づけています。埋葬や火葬にも死亡診断書が要ります。現状では、医師の診察を受けられない患者は、亡くなる直前に救急搬送されたり、死亡後に「異状死」として届け出て遺族らが警察に事情を聴かれたりすることがあります。

 

こうした現状を改善する運用の流れは、自宅療養する患者宅などを看護師が訪問し、心停止や呼吸の停止、瞳孔の開きを間隔をおいて2回確認します。外傷の有無なども観察し、スマートフォンやタブレット端末で遺体の写真などとともに医師に送ります。医師は「死亡」と確認すれば、看護師に死亡診断書の代筆を指示し、医師はテレビ電話などを通じて遺族に口頭で説明します。

 

代筆を指示できるのは、患者が死亡する2週間以内に診療していた医師です。当直業務中などですぐに対応できないなど、到着までに12時間以上かかる場合を想定しています。ほかに生前にICT(情報通信技術)を活用した死亡診断に患者と家族が同意していること、死期が予測されていること、診察した病気以外での死亡の場合は警察に届けること、などを条件としています。

(朝日新聞引用)より引用