2017年3月22日(水)

「麻疹(はしか)の集団感染について」

麻疹(はしか)の患者報告数が、関西空港関連の集団発生があった昨年を上回るペースで増えていることが14日、国立感染症研究所の患者報告で分かりました。一部の地域では集団発生が起きています。海外から帰国した人の感染も確認されており、患者の報告があった自治体は警戒を強めています。

国立感染症研究所によると、今年の患者報告数(8日現在)は44人で、2015年の1年間の報告数(35人)を超えたそうです。このままのペースで報告数が増え続けた場合、関西空港の職員や帰国者らによる集団発生が起きた昨年(159人)を上回る可能性があるとされています。

都道府県別では、三重が20人で最も多く、以下は広島(7人)、香川(4人)、東京と福岡(共に3人)、大分(2人)などの順でした。

三重県内では先月、麻疹の集団発生が起きました。県によると、この集団感染による患者報告数は18人(13日現在)。松阪市内の医療機関(2施設)では、計3人の職員が感染しました。潜伏期間などを考慮し、現時点では集団発生の終息宣言を出していませんが、2月21日以降、新たな患者の報告はないとしています。

海外で感染したとみられる「輸入症例」も報告されています。香川県高松市は今月2日、ベトナムから関西空港に帰国した同市内の男性が麻疹に感染したと発表しました。関西空港から高速バスで高松市内に戻って来ましたが、この男性の報告以降、県内の医療機関から保健所に麻疹の届け出はないそうです。

その他、山形県は18日、山形県置賜地方の自動車教習所に通っていた10代の女性がはしかを発症したと発表しました。県内ではしかの発症が確認されたのは本年度初めてだそうです。女性は15日にJR仙台駅や周辺の商業施設を利用していたといい、警戒を呼び掛けています。県感染症対策室によると、教習所にははしかと診断された男性2人がいたそうです。女性は16日、大崎市内の医療機関を受診し、18日にはしかと診断されました。

麻疹は麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症です。感染力が極めて強く、死亡することもある重症の感染症です。日本を含めた世界保健機関(WHO)西太平洋地域では、2012年までに、麻疹を排除することを目標に決めていました。   空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染、いずれの方法によっても感染し、好発年齢は1歳代が最も多く、次いで6〜11カ月、2歳の順です。近年、成人麻疹の増加が問題となっており、10〜20代での発症が多く報告されています。

(CBnews引用)