ペットから感染症がうつるのは、体液に触れたときのほか、身体に触れたりなでたりしたとき、噛まれたとき、引っかかれたときがあります。さらに、蚊やダニ、ノミを媒介として感染症がうつされることもあります。幼い子ども、高齢者のほか、免疫力が落ちた人は、とくに注意する必要があります。今回は、ペットからうつる可能性のある病気を紹介します。
1. トキソプラズマ感染症
寄生虫の感染によって起こる病気です。主に猫から感染することがあります。健康な人ならば、ほとんど問題になりませんが、妊娠中の人や免疫力が落ちている人では大きな問題を引き起こすことがあるのです。インフルエンザのような症状が現れる人もおり、リンパ節が腫れたり、筋肉痛が出たりすることがあります。
2. 狂犬病
ペットから狂犬病がうつることはありません(日本では1956年を最後に国内発生はありません)が、海外では、野生動物から感染するケースが報告されています。アライグマやコウモリからです。感染した動物の唾液から感染するので要注意。この感染症は、基本的に咬傷によって感染します。狂犬病のウイルスに接触した場合はただちに治療をしなければ、発症すると100%死に至ります。狂犬病を防ぐためには、ペットにワクチンを定期的に打つことです(日本でも義務づけられています)。アメリカ疾病対策センターによると、本格的な症状を見せる前に、人では発熱、頭痛、倦怠感が見られます。ですが、病気が進行すると、中枢神経系にウイルスが感染して、不眠や不安、混乱、部分的な麻痺、幻覚が現れるようになります。
3. サルモネラ感染症
卵や加熱不十分な鳥肉からサルモネラ菌に感染することがあることはご存じかもしれません。ですが、ペットからうつることもあるのです。この感染症は、ペットのは虫類の皮膚に細菌がいるため、そこからうつることもあるのです。ハリネズミやニワトリ、またドッグフードが原因で、サルモネラ感染症の集団発生が起きています。
一般的な症状としては、発熱、頭痛、腹痛、吐き気、嘔吐、寒気があります。
4. レプトスピラ感染症
動物の尿を介して感染する病気です。感染した野生動物がいたために地面の水が汚染され、そこからペットにうつることがあります。感染症は、ペットの尿にうっかり触れてしまうことから感染するのですが、みんなが思うよりも簡単にうつってしまいます。感染症を防ぐためにはペットにワクチン接種を行うこと。
レプトスピラに感染しても症状を現さない人もいますが、症状としては高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、嘔吐、下痢、発疹などがあります。アメリカ疾病対策センターによれば、最初の症状から回復した後、2回目にもっと重い症状が出ることがあるそう。そうした場合には、髄膜炎のほか、腎不全や肝不全を起こしている可能性が疑われます。
5. トキソカラ症
トキソカラと呼ばれる寄生虫、回虫に感染することによります。犬の糞を扱うときには、手袋やビニール袋、ショベルを使うのが大切。その後にはよく手を洗うように注意します。人は犬の糞から口の中へと回虫が感染します。ですが、寄生虫は肺に寄生するケースがあり、その場合には息切れが起こることがあります。さらに、じんましんやかゆみ、腹痛、血便も現れます。
6. サナダムシ感染症
調理不十分の豚肉から感染することがあります。ですが、ペットから感染するケースもあります。注意すべきなのは、サナダムシは、ノミのような感染を媒介する生物がいるという点です。サナダムシの感染は、そうした生物が口に入ることによって起こるのです。
症状は、腹痛や下痢のほか、便に米粒のようなものが見えるところは同じです。疲労感や空腹感、食欲不振も見られることがあります。
7. 白癬(はくせん)
カビによる感染症です。毛の根元にある毛包に感染します。直接の接触によってうつります。ペットの寝床を定期的に掃除し、頻繁に手を洗い、掃除機をかけて、消毒することが大切。
症状は赤みがあってかゆい、分かりやすい輪っか状の発疹が現れます。
(MYLOHAS 引用)