1回咳をすると2kcalのエネルギーを消耗するといわれます。100回咳をすれば200kcal。これは軽いジョギングを30分行ったのと同じ数字。咳の積み重ねで体力が消耗していくことが分かります。また、夜の咳が続くと睡眠不足が常態化して体力は落ちていく一方です。
長引く咳には受診や治療が大切ですが、咳が続くときの対処法や、そもそも咳を出さないための予防法を紹介します。
咳が止まらないのは辛いものですが、ハチミツで咳の症状や睡眠の質が改善したという研究結果があります。ハチミツには抗炎症作用や抗酸化作用があり、それらが咳の改善に作用すると考えられます。
一方、コーヒーも咳予防に効果があります。コーヒーに含まれるカフェインに気管支を拡張する作用や抗炎症作用があるからです。朝食時に濃いコーヒーを2杯飲むとぜんそくの症状が改善したり、コーヒーを1日3杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べてぜんそくを発症するリスクが少ないなどの報告があります。
咳が辛いときには、ハチミツをなめたり、ハチミツ入りのコーヒーを飲むとよいでしょう。
ウイルスは乾燥していると活性化します。インフルエンザウイルスは、気温が26度なら、湿度が50%のときに活性が低下することがわかっています。このくらいの気温と湿度を保っていれば、風邪をひきにくいでしょう。気温のコントロールは外気温との温度差による刺激が生じるので咳予防という観点では難しいのですが、湿度は加湿器でコントロールできます。湿度が低くなる、11月~3月くらいまでの期間は加湿器を利用することをオススメします。
風邪をひかないための工夫は、体内にウイルスや細菌を侵入するのを防ぐことになるので、すべての咳予防に有効です。まずうがいは、水でのうがいが有効です。うがい薬を使うと正常な細菌叢も殺菌してしまいます。うがい薬は風邪を引いてのどが腫れているときや痛みがあるときに使いましょう。次にマスクでくしゃみや咳によるウイルスの飛沫感染を予防します。風邪を引いている人、風邪をうつされたくない人、両方がマスクをしていればウイルスの感染予防に役立ちます。
口の中の雑菌は寝ている間に増えています。咳のもととなる口内細菌が体内に侵入しやすいので、就寝前と起きてすぐの歯磨きを。インフルエンザをはじめとした、ウイルスや細菌からの感染対策によいでしょう。もちろん、食後の歯磨きも大切です。起床時、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前のうち、起床時と就寝前を含めて1日4回以上、歯を磨きましょう。
胸の筋肉をストレッチすることも、肺の機能をアップでき効果的です。新鮮な空気をたっぷり吸い込むことで、酸素が体内に行きわたって元気になります。仕事や家事の合間に行いましょう。
(サワイ健康推進課より 引用)