私たちが普段、浴びている太陽光線は波長により「赤外線」「可視光線」「紫外線」に分けられます。さらに紫外線はUVA、UVB、UVCに分けられ、UVAは皮膚の奥、真皮層にまで届き、大きなしわやたるみの原因になります。一方、UVBは表皮に日焼けを起こし、しみにつながります。また皮膚を乾燥させて小さなしわの原因にもなってしまいます。また、長時間紫外線を浴びることで、皮膚のDNAが傷つき、皮膚がんにつながることもあります。UVCはオゾン層に吸収され地表には届きませんが、エネルギーが高いため皮膚がん発生の原因になりやすい。近年、オゾン層の破壊により、その危険性が危惧されています。
紫外線の影響で注意が必要なのが、光線過敏症です。光線過敏症とは、皮膚に異常をきたさない波長や少ない量の紫外線でも、かぶれのような異常な皮膚反応を起こす病気です。ケトプロフィンという成分が含まれている非ステロイド系抗炎症薬の外用薬(湿布)、そして、高血圧の薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗[きっこう]薬)とサイアザイド系の利尿薬の合剤が原因として起こる薬剤による光線過敏症が増えています。
紫外線対策はまず「紫外線の強さを意識する」こと。紫外線がとくに強くなるのは5月から8月にかけてです。また、緯度が低いほど紫外線量は多くなります。また天気によっても紫外線量は異なります。
紫外線の影響は、皮膚のタイプによっても異なります。そのため「自分の肌タイプを知ること」も紫外線対策のひとつとなります。とくに紫外線を浴びるとすぐに赤くなるが、その後、あまり肌に色がつかないⅠ型は、紫外線をブロックする「メラニン色素の量が少ないタイプ」で、日本人の18%がそうだと言われています。Ⅰ型では光老化が進みやすく、皮膚がんを起こす危険性も大きいといえます。日本人では、紫外線を浴びると赤くなり、その後色がつくⅡ型は70%、紫外線を浴びても赤くなりにくいが、すぐに黒くなるⅢ型は12%といわれています。
紫外線を防ぐには日焼け止めを使う習慣をつけましょう。日焼け止めはPA分類とSPF値の表示があり、紫外線量やシーンに応じて使い分けましょう。しっかり・たっぷり・まんべんなく塗ることが大事です。また早めに塗りなおしもしましょう。しっかりした生地の衣服を着たり、サングラスや帽子を利用したり・日傘を使うことも効果的です。紫外線は目にも影響して、白内障の原因にもなります。サングラスやUVカットの眼鏡を使って目を守ることも大事です。
(NHK健康チャンネルより引用)