2017年3月7日

狭心症とは心臓の栄養血管である冠動脈が何らかの原因で狭くなると心筋に送り込まれる血液が減少して心筋が酸素不足になることによる胸痛が狭心症です。

狭心症の種類

  • 労作性狭心症
    激しい運動や力仕事をすると心臓は沢山の血液を必要とします。この時に冠動脈に狭窄があると心筋への血液供給ができず心筋虚血状態(狭心症)の症状を引き起こします。痛みは圧迫感、灼熱感など表現され、場所は前胸部、みぞおち、肩、頸などに数分から数10分持続します。15分以上の痛みは心筋梗塞の可能性が有り、10秒以内の瞬間的な痛みは狭心症の可能性は低い。
  • 異型狭心症(安静時狭心症)
    夜、就寝中、ことに明け方に胸が苦しく押さえられた様な発作を安静時狭心症と言います。多くの場合、冠動脈が一過性に痙攣して心筋虚血が原因です。
  • 不安定狭心症
    労作時、安静時に関係なく胸痛が起こり、徐々に狭心発作が頻回になり心筋梗塞の前触れと言われています。
  • 微小血管狭心症
    X線冠動脈血管造影では明らかな狭窄は写らない微小血管の虚血状態をいいます。胸痛は運動や安静時に関係なく見られ、胸痛は数分から1日続く場合もあり、顎、喉、耳の後ろ、背部、肩、胃などいろいろな場所に出現する。
    微小血管狭心症に詳しい清風荘病院 女性内科・女性外来の天野恵子医師によると原因は更年期女性特有の病気で閉経に伴う女性ホルモン「エストロゲン」減少で微小血管の収縮や拡張不全が起こり、更年期女性の10人に1人に見られるという。
    微小血管狭心症は診断が難しく、10年間も医療機関を渡り歩く「ドクターショッピング」の患者さんも大勢いて、高血圧や狭心症の薬として使われているカルシウム拮抗剤などの服用で早い人で翌日には胸痛が改善するそうです。長い間、微小血管狭心症で苦しんでいる患者さんにこの病気は重篤な命の危険性が低い事を説明すると患者さんは安心すると言っています。

参考資料:日本心臓財団(心臓病の知識)より引用