2017年3月3日
講和:「今日から実践できる禁煙指導」 講師:安中保健福祉事務所:武智浩之先生
○都道府県別の20歳~69歳における年齢調査喫煙率(2010年)
群馬県:男性19位(43%) 女性6位(15.1%)
○医療保険別の喫煙率(%)国民生活基礎調査2010年、25~64歳
男性:健保組合(42.0) 市町村国保(48.2) 生活保護・無保険等(55.4)
女性:健保組合(15.0) 市町村国保(19.3) 生活保護・無保険等(29.1)
★ひとつ! 喫煙は病気、喫煙者は患者であると認識すべし
病気だから医療保険を使用して禁煙治療ができるんですよ。
★ふたつ! たばこを吸うのはもったいないことを伝え続けるべし!
もったいない(生活編)
- あなたは、老けて見える “スモーカーズ・フェイス”
たばこの煙に含まれる有害物質が活性酸素を発生させ皮膚の老化を進めます。 - 毎日、大切な時間を奪われている!
1本5分の喫煙でも1日15本以上吸うと1時間以上の時間を奪われます。 - たばこ代にかけているお金で、好きなものをゲット!
1日1箱20本400円 400×365=146000円もかかっています。 - あなたの喫煙は、家族にも悪影響を与える!
受動喫煙により家族も病気にかかりやすく、子どもでは呼吸器系症状、乳幼児突然死症候群のリスクが高まります。親が喫煙していると子どもが将来喫煙しやすくなります。 - 病気にかかりやすく、医療費や通院に時間がかかる!
たばこはすべてのがんや心血管疾患(動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)メタボリックシンドローム、糖尿病、かぜやインフルエンザなどにかかりやすい)
もったいない(仕事編)
- たばこのにおいがスポンサーやお客様に嫌がられているかも
喫煙後もにおいが身体や衣服付着しています。 - 勤務中の喫煙は、さぼっているとみられる
喫煙所は仕事を離れていると考えられ、1日35分の職場離脱があるとみられています。 - 病欠がふえる
病気になりやすく吸わない人の2倍会社を休みやすく、アルコール依存症など深刻な薬物依存症になるきっかけになるので要注意です。 - ストレスが増幅する
喫煙者は非喫煙者と比べでうつ病や自殺の危険が2倍以上高いです。 - 火事の原因になる
火事の原因第3位たばこの不始末です。
たばこを吸うのはもったいない(禁煙編)
- あきらめるにはもったいない
禁煙中にたばこを吸ってもあきらめない。生涯禁煙のために繰り返しチャレンジすれば禁煙達成が近づきます。また「年を取っている」とあきらめない。病気の進行を抑え体調がよくなると禁煙の素晴らしい効果は必ず現れます。 - 医師や薬剤師等の専門家を味方にしないのはもったいない
禁煙外来で医師の指導を受け、処方箋を使って禁煙に取り組むことは、確実に禁煙につながります。標準的な禁煙治療プログラムは12週間に5回の受診です。 - 禁煙補助薬を使わないのはもったいない
喫煙本数が少なく、禁煙に自信がある人はニコチンパッチやニコチンガム等禁煙補助薬を使う事で禁煙率が1.5倍高まります。
★みっつ! 禁煙抵抗勢力3兄弟を認識すべし! (受動喫煙防止の法規制の強化に向けて)
- たばこ産業:最近のたばこ製品(メンソールで爽やかに、パッケージのデザインを追求)
- 分煙産業(機械・測定業者)
- 売上を気にするサービス産業(飲食店など)
*飲食店の従業員を受動喫煙の被害から保護するためにも法規制の必要性があります。
本当ですよ!!
- たばこの本数を減らすほど大切にすってしまって血中ニコチン濃度が上がってしまうこともあります。
- 軽いたばこの表示のものほど穴の数が多く、深呼吸のように吸ってしまいます。
- 禁煙後の肥満のリスクは続くわけではありません。
BMI(非喫煙者;1増 禁煙後2~4年後は1.88増、8~10年後0.66増) - 日本のたばこにはタールとニコチン成分しか記載されていないが、その他化学物質がたくさん入っています。放射性物質(ポロニウム)も含まれています。
日本では喫煙により年間12~13万人死亡(年間死亡者数119万人の1割:H22)
喫煙による健康影響のメカニズムはたばこの煙には、約5300種類の化学物質が含まれ、それらの中には60種類以上の発がん性物質が含まれています。またDNAの損傷、炎症、酸化ストレス等のメカニズムを介して、がんや循環器疾患、呼吸器疾患の健康リスクを高めています。受動喫煙のようにたばこの煙への曝露が低いレベルであっても、血管内皮の機能障害や炎症が生じ、このことが急性の循環器イベントの発生や血管形成と関連します。
禁煙することは本人や周り人々、全ての人々の健康につながります。
たばこをやめたい人達が、やめやすい環境を整えることが必要です。また行政が受動喫煙の規制する難しさを議論していますが、期待したいです。禁煙を考えている方のどんなことが心に響くかわかりませんが、喫煙による様々なリスクを訴え、色々なもったいないことも伝えて一人でも喫煙者を少なくしていくこと、そのことあきらめないで禁煙指導に臨みたいと思います。
参考資料:安中市国保特定保健従事者研修会資料より抜粋