急激な温度変化によって体がダメージを受ける「ヒートショック」冬場、高齢者が浴室やトイレで突然倒れる事例が目立つことから「ヒートショックは冬に起こるもの」という印象がありますが、近年、厳しい暑さの日本では、冷房が効いた空間から暑い屋外に出たときにヒートショックが起きるなど、夏場のリスクも無視できなくなっているようです。

そもそも「ヒートショック」とは、暖かい場所から寒い場所に移動したときなどの急激な温度差によって血圧が変動し、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの病気を引き起こします。これらを総じて『ヒートショック』と呼んでいます。冬場は暖房の効いた部屋から、トイレやお風呂場などの寒い部屋に移動した際に起こりやすいのですが、温度差によって生じるので夏場にも起こります。暑い屋外から冷房の効いた屋内に移動するときや、逆に冷房の効いた部屋から暑い屋外に移動するときの温度差で血圧が変動し、ヒートショックを起こします。10度以上の温度差がある場所は危険と考えられています。

ヒートショックのリスクが高い人の特徴は、糖尿病や高血圧、脂質異常症、喫煙などで動脈硬化が進んでいると考えられる人、心臓の病気がある人、高齢者はリスクが高いと考えられています。ヒートショックによる病気は、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞など血管の病気です。脳出血や脳梗塞では頭痛や麻痺など、心筋梗塞では胸痛などが起こりますが、このような場合は自分で対処しない、必ず他者に助けを求め、救急車を呼んでもらいましょう。家族や周囲が異変に気付いた場合も同様です。

ヒートショックと熱中症を見分けるポイントは、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞になっていたら先に述べたような症状があるので、熱中症と間違える可能性は低いでしょう。しかし、血圧の変動によるめまいや気分不良などは熱中症と似ているので、判断が難しいかもしれません。特に、暑い屋外から冷房の効いた室内に入った場合は分かりにくいので、少し休んでも症状が変わらなければ医療機関を受診した方がよいでしょう。

夏場のヒートショックを未然に防ぐためのポイントは、温度差を少なくするために、冷房を強くし過ぎないことです。冷房の効いた部屋に入るときは薄手の上着を羽織る、汗をかいた後のシャワーで冷水を急に浴びない、などの工夫を心掛けましょう。

                                (g00ニュースより引用)