2018.10.25

「よく噛んで食べて脳も体も健康に」

■よく噛んで食べると脳に良い影響がある

食事のとき、よく噛んで食べていますか?仕事や家事が忙しいと、とにかく短い時間で食事を切り上げようとして、「よく噛んでゆっくり食べる」という人は、少ないかもしれません。

よく噛むことは、脳にも体にもよいことがたくさんあります。よく噛んで食べると脳神経が刺激され血流が増えることで脳活性を促したり、唾液が増えて虫歯や歯周病を予防したり、胃腸の働きを促進したり、味覚の発達を促したりするなど、脳にも体にもよい影響がたくさんあります。

 

■ゆっくり食べると、生活習慣病の予防になる

よく噛んで食べると、自然と食事に時間をかけることになりますが、これが生活習慣病の予防に大変有効です。逆に、早食いを続けると、肥満や生活習慣病を発症しやすくなります。このメカニズムには、脳に備わる「摂食中枢」と「満腹中枢」が関係しています。

食事をした直後は血糖値が一時的にグンと上がり、時間とともに下がります。一定の時間になると、摂食中枢から「食事をして」と空腹のサインが出て、食事をします。おなかが一杯になると、満腹中枢から「そろそろ食事をやめよう」と指令が出ます。

食事を始め、満腹中枢の働きで満腹感を感じるのは約15~20分後。ところが早食いをすると満腹感を得る前にたくさん食べてしまうので、「まだまだ食べられる」と脳が勘違いをして食べ過ぎてしまいます。すると、たちまち肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を招きます。早食い傾向のある人は、今日から食事はよく噛んで、時間をかけるようにしましょう。

 

■歯の健康を守って認知症になるリスクを減らす

歯を欠損している人は満足に噛めなくなり、放置すると認知症になるリスクが高まります。この理由は、歯を失うと、しっかり噛まなければ食べられない生野菜などを避けるため、ビタミン類が不足することや、やわらかい食事ばかりで咀嚼する回数が減り、脳への刺激が減ることが関係していると考えられています。歯の健康のためにも歯のお手入れは毎日しっかりと行いましょう。欠歯があれば義歯を入れて、しっかり噛むようにしましょう。義歯でしっかり噛むことで、自分の歯で噛むのと同じ効果が得られます。

 

よく噛んで味わって食事をして、認知機能の維持・そして全身の健康維持をしていきましょう。