2018.08.31

「1日に野菜を350g食べた方がいい?」

「健康寿命をのばすには野菜をもっと食べよう」 日本は先進国の中でも急速な高齢化社会へと進み、女性は世界一、男性も世界2位という平均寿命を誇っています。しかし近年、栄養の過剰摂取やアンバランス等による肥満率や生活習慣病患者が増加し、痴呆や「寝たきり」など介護の必要な高齢者も増えています。

肥満や生活習慣病を予防するためには、適度な運動なども重要ですが、食生活も大きく影響しています。第二次世界大戦後、日本人の食生活は欧米化し、タンパク質や脂質の摂取量は増加し、炭水化物や野菜の摂取量は減少するなどの変化が見られています。近年、生活習慣病が増加しているのは、栄養バランスの偏りが一因だと考えられています。

そこで国では、2000年から「健康日本21」に則り、21世紀にすべての日本人が健やかで心豊かに生活できる社会をめざして、活動を推進しています。「健康日本21」では、野菜の摂取量の目標値を1日350g以上としています。

 

野菜はなぜ積極的にとるとよいのでしょうか。

♦野菜の摂取量を増やすことで満腹感が得られ野菜はカロリーが低いため、肥満や糖尿病の予防に役立つ

♦生活習慣病の脳卒中、高血圧、がん予防には、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン類、各種のファイトケミカル等が役立つと考えられ、野菜はこうした成分を含んでいる

♦高齢者の寝たきりを防ぐためには骨粗鬆症を予防するためカルシウムを十分摂取することが必要で、野菜にはカルシウムも含まれる  では「350g」とは、どこから出てきた数字なのでしょうか。 1995年~1997年の国民栄養調査から20歳以上の男女(32,038 名)のデータを元に「栄養素摂取量と食品摂取量等との関連について」分析が行われました。その中で、カリウム、ビタミンC、食物繊維の摂取量の関係を検討し、それぞれの栄養素について目標量を十分摂取するためには、野菜がどれくらい必要なのかを分析した結果、必要量として野菜は350gが求められています。

 

野菜350gは、あくまで目安となる数字です。あまり神経質にこだわってしまうと、食生活を楽しめなくなってしまいます。「野菜はおいしく食べるもの」 と捉えて、バランスよく続けていけるようにしましょう

 

                   健康nisutoより引用