2018.07.23
「大股速歩で手軽に筋力アップ 歩幅目安は65センチ」
大股で普段より速く足を動かす「速歩」は通勤、買い物や散歩などの際に手軽にできる健康法。「マラソンやジョギングは体力的に自信がない」「運動する時間がない」という人も無理せず自分のペースでできる。シニアには足腰の筋肉を維持・強化するだけでなく、最近では認知症の予防にも効果がみられることが研究調査で明らかになってきた。
歩幅の狭い人は脳の認知機能が低下するリスクが高い。東京都健康長寿医療センターが高齢者666人を対象に歩行状態を4年間かけて追跡調査を実地歩幅が「広い」「普通」「狭い」の3グループに分けて調べたところ、「狭い」グループは「広い」に比べて認知機能が低下するリスクが3.39倍も高いことが分かった。通常の加齢変化よりも、早く歩行機能の衰える人がいて、それが歩幅に現れる。歩幅の狭さは認知症のリスクが高まっているシグナルという。歩幅が狭くなるのは、筋肉量の減少に加えて、足を前に出そうとする脳からの指示がうまく伝わらないため。普段から意識して歩幅を広くし、脳への刺激を与えることは認知症予防に役立つと。
「速歩で重要なのは歩調(テンポ)をあげることでなく歩幅を広くすること」東京都健康長寿医療センター研究所の谷口医学博士は、歩き方の工夫で多くの人がすぐに始められると勧めている。目標は歩幅65センチ。「横断歩道の白線をまたぐようなイメージで歩くのが理想」「体格や運動能力などの点で難しいと感じる人は、白線は一つの目安と考えればいい」という。
歩き方のポイントとなるのは姿勢 ①肘は自然に曲げて、腕を後ろに大きく前は小さく振る。②膝を伸ばしてかかとから着地する。③おしりの筋肉を持ち上げて背筋を伸ばす。歩行と姿勢がきちんとそろえば速度は自然に速くなる。普通のウオーキングに比べて足腰の筋肉が鍛えられる。さらに視線はなるべく前に保ち、へその下に力を入れる。手をあてて筋肉が硬くなっていればきれいな歩き方になっていると。
運動が苦手な人でもお金をかけずマイペースで継続できる速歩。足腰の衰えを予防し健康寿命を延ばすために、試してみてはいかがでしょうか
日本経済新聞より引用