2018.07.04
「天気の変化で不調を感じる「気象病」の対処法は 」
雨が降りそうになると、関節が痛くなったり、季節の変わり目にめまいを感じたりする――。天気の変化で不調を感じたら、それは「気象病」かもしれない。普段から、のぼせやすいなど自律神経が乱れがちな人は特に注意が必要。
気象病は天気の変化で起こる不調の総称で、大きく分けて二つある。一つは、めまい、肩こり、イライラといった不定愁訴。検査しても特段原因が見つからないことが多い。普段から交感神経と副交感神経からなる、自律神経が乱れがちな人に症状が出やすい。もう一つは片頭痛や関節痛など、持病が悪化するパターン。気象病の中でも、これら痛みを伴うものは特に「天気痛」と呼ばれている。気象病の引き金になるのは、気圧、気温、湿度変化。特に影響が大きいのは気圧で、梅雨や台風の時期は注意したい。
気圧の変化が気象病を引き起こすのは、内耳にある“気圧センサー”からの情報に体が適切な対応をできないから。まだ研究段階ではあるが、体の平衡感覚をつかさどる内耳には、気圧の変化を感知し、脳に信号を送るセンサーがあるとされている。本来、センサーは気圧の変化に体を順応させるためにあるが、 普段から自律神経が乱れやすい人だと、センサーからの信号を受けて脳が混乱してしまうことがあるという。ストレスがかかると眠れなくなるなど、自律神経が乱れがちな人は、普段から適度な運動をし、十分な睡眠を取るなど自律神経を整える習慣を心掛けることが大切。
一方、天気痛の代表的症状の一つ、片頭痛。もともと片頭痛を抱えた人が、梅雨どきなどの気圧の変化を受けて、症状を悪化させるという。気圧の変化による交感神経の興奮が原因。交感神経が興奮し、収縮した血管が反動で拡張することにより、痛み神経が刺激されるというしくみ。痛みが出たら、首の後ろや額、眉の下の辺りを冷やすと痛みが弱まるという。マッサージや入浴は、体が温まり、血管が拡張するので、片頭痛には逆効果のため注意。
気象病による片頭痛に悩まないためには、普段から頭痛日記をつけて、天気の変化と自分の体調との関連性を把握しておくといい。一定期間つけることで、雨の日の前日には必ず痛み始める、などがわかる。天気予報から発生を予想し、早めに薬を飲むなど次善の策をねることもできる。
日本経済新聞より引用