2018.03.07
「早期の乳がん・大腸がん 10年生存率9割超す」
国立がん研究センターなどの研究班は先月28日、2001年からの4年間にがんと診断された約5万7千人の10年生存率は55・5%だったと発表しました。早期の乳がんや大腸がんは生存率が9割を超しています。がんが初期に見つかった人ほど生存率は高く、早期発見の大切さが改めて浮き彫りになりました。
2001~04年に20のがん専門病院にかかった5~94歳の患者5万7147人が対象。全部位と18種の部位別に生存率を算出しました。現在、診断された患者の生存率はもっと高いと推察されます。全部位では2000~03年が対象の前回調査は58・5%。算出方法が変わり、同じ方法で比べると前回は54・2%で1・3ポイント上昇しました。部位別では乳房(女性)82・8%、肺30・4%など。前立腺(男性)92・4%、甲状腺86・0%などが高かったようです。
進行度別でみると、全部位では早期の1期は80・6%。進行するにつれて下がり、4期は13・1%。部位別でも大腸や胃は1期で約9割でしたが、4期で見つかると1割を下回りました。
研究班は早期発見のための検診受診の重要性を訴えています。
主ながんの進行度別10年生存率
全症例 1期 2期 3期 4期
胃 64.3 89.7 52.2 36.2 6.0
大腸 65.9 90.8 77.5 70.6 9.5
肝臓 14.6 25.7 15.9 7.5 2.5
肺 30.4 63.3 28.5 13.2 2.8
乳 82.8 95.4 86.0 57.8 15.4
(単位は%。2001~04年に診断された患者)
朝日新聞より引用